2017年07月28日

院長のPRP再生医療体験記

当院でPRP再生医療を始めるにあたり、まずはその効果を確認するため、自分自身で(鏡を見ながら)注入してみました。
しかし、3週間たってもまったく効果が見られませんでした。
ただ単にPRPを皮膚に注入すれば簡単に効果が出るというものではなかったのです。PRPを注入する深さや量の問題もさることながら、PRPが持つ再生能力をいかに最大限に発揮させる事ができるのか? という工夫が足りなかったのです。
都内の医院と比べて格安の値段とは言え、やはり高い料金を頂くわけですから、患者様には目に見えるような効果を提供したいという一念のもとに、その後は、皮膚の老化やアンチエイジングに関する英語論文を読みまくり、そして現在の方法にたどりつきました。
結果を提示します。
左写真は今年3月の写真です。恥ずかしながら、60歳でかなり疲れてたるんだ顔をしております。
右写真は今年7月の写真です。顔の各部位でPRP治療を行いました。シワ、肌の張りなど明らかな改善が見られます。
顔 4月と7月.png
PRP治療の良い所は、もう1カ月ほど待てばもっと改善する事が期待できる事、そしてその効果が長期間継続するという事です。1カ月後にも経過をアップする予定です。お楽しみに。
posted by 院長 at 07:44| 日記

2017年06月21日

シワと薄毛と活性酸素とPRP再生医療

今回はPRP再生医療について書きたいと思います。
PRP再生医療はシワや薄毛に対して行われる究極のアンチエイジング治療です。
PRP再生医療とはどのような治療なのか、そしてその治療効果をより高くするにはどうすれば良いのか、などを説明いたします。
その前に、老化した皮膚と若い皮膚の違いを、解りやすく図に示してみます。

皮膚構造の絵.png

皮膚が老化すると、
@表皮が薄くなり、A毛包が小さくなり、B線維細胞などの間質細胞が減少し、Cヒアルロン酸などの細胞外基礎が減少します
表皮が薄くなると細かいシワの原因になり、線維細胞やヒアルロン酸の減少は大きなシワやたるみの原因となります。毛包の小型化は薄毛の原因です。
その他の重要な変化は、「活性酸素」の増加と活性酸素を無力化させる「抗酸化酵素」の減少です。
人間のような好気性生物は、生命維持に必要なエネルギーを得るため、個々の細胞内のミトコンドリアで絶えず酸素を消費しています。ところが酸素の一部は、様々なストレスによって活性酸素に変換され、生体損傷を引き起こします。
 通常であれば、この悪玉の活性酸素を除去するために善玉の抗酸化酵素が産生されますが、老化した状態では、活性酸素が過剰に発生し、抗酸化酵素では中和しきれない状態になっています。そのため、細胞が損傷を受けて、癌や生活習慣病、肌老化、薄毛などの病気を発生すると言われています。

 ポリフェノールやビタミンE,ビタミンCなどは活性酸素を抑制する物質(抗酸化物)である事が知られていますが、実際に薄毛モデルのマウスにポリフェノールを塗布すると発毛が誘導され、同様に、皮膚を老化させたマウスに塗布するとシワの改善が認められます
 このような実験からポリフェノールやビタミンなどの抗酸化物はアンチエイジング治療において有用と考えられています。それなら人間でもポリフェノールを外用すれば効くのでは? と思いたいところですが、マウスに比べて人間の皮膚バリアの機能は厳重ですから、例え皮膚に塗布してもなかなか思うように吸収されず、良い効果が得られません。しかし、これらの抗酸化物を皮内注射により直接皮膚に注入してしまえば、皮膚バリアを気にする必要はありません。このような注入治療をメソセラピーと言います

★当院で行っているヒアルロン酸注射薬にはヒアルロン酸だけでなく、各種ポリフェノールやビタミン類、栄養源となるアミノ酸、カルシウム、マグネシウムなどの電解質、コエンザイムなどが含まれています。
 ヒアルロン酸は非架橋ヒアルロン酸という種類で、注入すると周囲に拡散するため、凹凸を形成せずに自然な感じで皮膚になじんできます。しかし、いずれ吸収されて消失してしまうので、効果を持続させるためには定期的な施術が必要となります。
 一方で、ヒアルロン酸と共に注入された各種成分は、活性酸素を減少させて皮膚が自らヒアルロン酸や線維細胞を産生するような環境にしてくれます。しかし、その効力は正直、弱いものです。もう一つ、何か加えなければ効果が得られない可能性があります。そして、その加えるべき治療というのがPRP再生医療です


 PRPとは自己の血液から採取した「多血小板血漿」のことです。血小板には傷を治す能力があり、傷部位に毛細血管を増やしたり、繊維芽細胞を増やして開いた傷を閉じるように再生させます。このような再生能力を持つ血小板を使った治療をPRP再生医療と言います
 通常の血液には、血小板が15〜40万個/μℓ認められますが、PRP治療では血小板が100万個/μℓ以上に濃縮された血漿を用いなければなりません。
 つまりPRPとは、増殖因子を豊富に保有する血小板の濃縮ジュースのようなものです。

それではどのような増殖因子が血小板に含まれているのでしょうか?
1.血小板由来増殖因子 PDGF: platelet derived growth factor
  線維芽細胞、平滑筋細胞、軟骨細胞などを増殖させる。コラーゲンやコラゲナーゼなどの細胞外基質
  の合成も促進するので、皮膚の再構築に貢献し、深いシワの改善につながります。

2.トランスフォーミング増殖因子‐β TGF-β: transforming growth factor
  線維芽細胞、平滑筋細胞の増加に貢献するが、最も重要な作用はコラーゲンやフィブロネクチンなど
  の細胞外基質の形成促進作用です。従ってPDGFと同様に深いシワの改善につながります。

3.血管内皮増殖因子 VEGE: vascular endothelial growth factor
  血管内皮増殖作用と血管透過性亢進が主な作用。つまり注入部位に新たに毛細血管が作られる
 (血管新生)。毛細血管が増えればその部位の血流が増え、その血流に乗って皮膚再生に必要な栄養素が
  豊富に流入してきます。。

4.上皮増殖因子 EGF:epithelial growth factor
  表皮細胞、線維芽細胞、血管平滑筋細胞、その他の上皮細胞の増殖を促進する。
  表皮が劣化しており表皮層が薄くなると小ジワを形成します。
  表皮細胞が増殖すれば表皮層が厚くなり、細かいシワは改善されます。
  また、毛根を構成する毛包細胞は表皮細胞から連続したものであり、EGFは毛包細胞の増殖をも
  もたらします。

★しかし、せっかくPRPを注入して皮膚内に増殖因子を注ぎ込んでも、皮膚内の環境が悪いと、増殖因子がその能力を十分に発揮できない可能性があります。
そのためにPRP再生医療の前後にヒアルロン酸含有のメソセラピーを行うことで、皮膚内の活性酸素を抑制させ、PRPの増殖因子が働きやすい環境に整える事が重要です。
それが当院で推奨している、メソセラピーとPRP再生医療のコンビネーション治療です



posted by 院長 at 14:40| 日記

2017年05月14日

AGA治療の質問への回答A:活性酸素の関与とメソセラピー

質問:AGA治療の”コツ”のようなものはありますか?(40歳、男性)

答え:
前回で少し述べましたが、個々の治療の有効率は高くないので、2種または3種の(効能が異なる)治療を併用するのが「大満足」への近道です。

大切なのは長期間続けても安全なものを選択する事です。

現在、ミノキシジル外用(血行改善)と5α還元酵素阻害剤内服(男性ホルモン活性化を抑制)の併用がベストとされていますが、それでも「大満足」に至らない事が多いのです。
(ミノキシジル内服は有効ですが危険性も伴うことは前回説明しました。)

そこで、第3の効能効果を知る必要があります。キーワードは「活性酸素の抑制」。
ミトコンドリアでは生体維持のため酸素が消費されますが、一部の酸素は様々な酸化ストレスによって活性酸素に変換されます。活性酸素は生体損傷力が強く様々な疾患の誘因となり、AGA発症にも関与していると言われています。殊にAGA部の毛包細胞は活性酸素などのストレスに対して、(正常部位の毛包細胞と比べて)より過敏であるとも言われています。

一方、活性酸素を抑えるものに抗酸化物質があります。ビタミンCやポリフェノールなどは周知の通りですが、この抗酸化物質が「AGA治療の鍵」と考えられています。実際にポリフェノールをネズミに塗布した実験では育毛効果が確認されています。
最近話題のビタミンC外用治療も抗酸化作用を期待したものと思われますが、残念ながら人間の皮膚バリア機能はネズミのものより数段発達しているので、塗布された抗酸化物質が十分には経皮吸収されません。
(ちなみに当院では、ミノキシジルにポリフェノールやアゼライン酸を加えたものを用意してあります。)

しかし、抗酸化物質を頭皮へ直接注入すればより確実な効果が期待できるのではないでしょうか?
それが当院で行っているメソセラピーです。当院では複数の抗酸化物質を含み、さらに、育毛に必要な栄養素である各種アミノ酸やビタミン類、コエンザイムを加えた溶液(安全性は承認されているもの)を直接頭皮へ注射し、毛包周囲の育毛環境を整えて発毛を誘導します。危険な人工的成長因子は含みません。
メソセラピーは定期的に継続すると効果が見られます。安定した育毛状態になれば、数か月に1回の施術で効果が維持されます。5α還元酵素阻害剤内服やミノキシジル外用を併用するとより高い有効率が期待できます。

○メソセラピーでも「大満足」出来ない場合はどうすればよいのでしょうか?
メソセラピーで毛包周囲の環境を整えた状態でも育毛が不十分の場合は再生医療の適応となります。
再生医療についての詳細は次回に予定します。
posted by 院長 at 14:54| 日記