2023年02月03日

首のイボ、何故できる?

先日、首のイボは実は皮膚腫瘍であり、治療は皮膚腫瘍切除術という保険適応された炭酸ガスレーザーによる切除術を行う事を説明しました。
今回は、何故首に「イボ」ができるのか?という事について解説します。
加齢と紫外線が大きな要因ですが、それ以外には体質(遺伝)と肥満を挙げる事ができます。
遺伝といっても厳密な遺伝病ではなく、「背が高い家系」、「うす毛の家系」といった血族内に同様の症状を呈する人が多い、という程度のものです。この場合「イボ」は首だけではなく顔や下あごにもたくさん認められる事が多いです。紫外線は悪化要因ですから、「イボ」家系の人は顔〜首まで広範囲に日焼け止め対策をする事が勧められます。
肥満によるもの:表皮細胞にはインスリン様成長因子受容体(insulin-like growth factor receptor) というものがあり、肥満状態でインスリンが過剰に分泌された状態では、そのインスリンが皮膚のこの受容体に結合します。すると表皮細胞の増殖にスイッチが入って「イボ」が首や腋下に出現し、さらに首の付け根や腋下に黒色変化(黒色表皮腫)も出現しますこの症状は体の危険性を告知したサインですので、治療は「イボ」の切除だけでなくダイエットが必要となります
単なる「イボ」と思われがちですが、奥深い考察をすることができます。やはり、皮膚科を受診して相談することをお勧めします。
posted by 院長 at 07:58| 日記