酒皶に関する論文も、本邦(日本)のものはほとんど見られません。唯一の本邦著者は東北大学皮膚科出身で現在は東北で開業(りふ皮膚科クリニック)されている山崎研志先生で、酒皶の発症メカニズム解明について研究されていました。酒皶の治療に関する論文は日本のものは皆無で、ほぼ欧米・中国からの報告に占められています。
なぜ本邦で酒皶の認識が遅れているのか?、それは、昨年(2022年)秋まで認可された薬がなかったからです。現在、ようやく認可された薬はロゼックスゲルⓇという外用剤ですが、実はこれで全て解決できるというわけではありません。
酒皶は30〜50歳代の女性に好発し顔の中央が赤くなる疾患でステージ別に4段階に分類されます。難治性でなかなか治りません。酒皶のステージによりロゼックスゲルⓇが効かないタイプがある事、ヒリヒリするような皮膚刺激感が副作用にある事、妊娠中や授乳中に使用が制限される事などの理由でこのゲルだけでは治療対策としては十分ではありません。
私はロゼックスゲルⓇが承認される前から酒皶に対してLED照射治療を行ってまいりました。昨年、それを論文にまとめ日本臨床皮膚科学会雑誌に投稿したところ諮問に通り、今年その論文が掲載されることになりました。
LEDが何故酒皶に効くのかはここでは割愛しますが、一番のポイントは過剰なLED照射はかえって酒皶を悪化させ、適度なLED照射は酒皶を改善させるという事です。しかし、酒皶は慢性の炎症性疾患ですから、いったん良くなってもLED治療をすぐに終了すると再発してしまいます。良くなったあとも維持治療として定期的な照射が大切です。
LED照射は適度に照射すればほぼ副作用がない治療で耐用性の高い治療です。
当院では予約なして照射が可能で、酒皶の場合は1回1,100円で行っています。

