LED治療が対象となる皮膚疾患にはニキビ、しわ、薄毛、創傷、湿疹・皮膚炎などがあります。
ニキビにおいては、LEDによるニキビ菌を抑制する効果、脂腺分泌の抑制、抗炎症作用などが抗ニキビ作用として有用と考えられています。
通常のニキビは尋常性ざ瘡ですが、炎症が強くて皮膚深部にまで炎症が波及すると嚢胞性ざ瘡(cystic acne)や、もっと重症な集簇性ざ瘡になります。ニキビを治療する理由は、今現在の目立ったニキビを目立たなくする事はもちろんですが、ニキビ跡を残さないためです。
一度ニキビ跡が残ると治療しなければ一生残ります。
また、ニキビはうつ病の原因になることもあります。
従って、炎症が強く重症なニキビには積極的な治療を行っていきます。抗生剤を長期に服用したり、ステロイドの服用も行います。ニキビの治療マニュアルでは、最終的に効果が見られない場合はイソトレチノインという薬の内服治療を行ように書かれています。
このイソトレチノインはニキビに良く効きますが強い催奇性があります。男性も避妊しなければなりませんが、女性の場合は年単位で避妊します。妊娠適齢期の患者さんの場合は、二重の避妊行動が求められ、ピル内服だけでなく避妊具も使用するように励行されます。
20年ほど前ですが、タイ・チェンマイではイソトレチノインが汎用され、奇形の子供が生まれるなどの社会問題になっていました。
LEDは使い方によっては、かなりの抗ニキビ効果が期待できます。炎症が弱いニキビでは効果発揮しませんが、炎症が強い重症のニキビにはよく反応します。LEDを使う事で、イソトレチノインを服用せずとも重症ニキビを改善させる事ができる可能性があります。

炎症が軽減したら、残ったニキビ跡に対してフラクショナルレーザー照射を行います。