2020年06月11日

別の症例にも心嚢液貯留を確認(ミノキシジル2.5mg服用。頻脈と浮腫あり)

先日、ミノキシジル5rとスピルノラクトンを他院で処方されている方に、頻脈と心嚢液貯留を確認した例を報告しましたが、今回は、別の方にも心嚢液貯留が認められましたのでご報告いたします。
この方は64歳、女性で、8年ほど前から他院でミノキシジル2.5mgが処方されております。当院には顔の美容目的で今年3月から通院されていました。ミノキシジルも当院で処方してほしいご希望があり、3月から処方開始しておりました。
当院ではミノキシジル処方にあたり一般身体状況について診察しますが、90/分程度の頻脈と下腿の軽度浮腫が見られました。不整脈はなく、心音も正常でした。心電図では頻脈所見以外の異常はありませんでした。
5月の診察では脈拍は106/分を呈し、浮腫も持続して見られていたため、心エコー行ったところ、少量だが心嚢液貯留が認められました。
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64歳という年齢的に今後の合併症発症の可能性も懸念され、ミノキシジルを中止にしました。
中止後、頻脈や心嚢液の変化をフォローしてゆく予定です。
偶然か、前回の例も今回も女性でした。いずれにしても、ミノキシジルを投与している方に頻脈や浮腫が見られた場合は心エコー検査をする必要性が考えられました。
当院では腹部エコー用プローベを使用して心エコーを行っていましたが、これを契機に心エコー用プローベを購入しようかと思います。
posted by 院長 at 19:38| 日記