両者は一見すると混同してしまいそうな症状を呈することがあります。
まず一例を紹介します。

左は円形脱毛症で、右はAGAの方です。
次はどうでしょうか?

左はAGA,そして右はAGAに円形脱毛症を合併した例です。
このように、外観だけを見るとなかなか区別が難しい事があります。
ですから、脱毛症の外来ではただ見るだけではなく、話を聞いて、頭皮や毛髪に触れて診察し、毛根や頭皮の状態を拡大鏡でチェックする事などが大切です。
「AGAの外来なんて内服薬と外用剤を処方して、あとはそれを患者さんに買いに来てもらえば良いんだから簡単だよ」と思われがちですが、とんでもない事です。
「専門的に経験を積んだ医師が責任を持って患者さんを担当する」、これは内科や外科などすべての科において当たり前の事ですが、AGAの診療においても同じ事です。
さて、
その後の治療経過ですが、A氏は(私が大学時代に治療した方で、論文に載せた写真を使用しています)、

円形脱毛症の治療で改善しました。
D氏の場合は、

まずは円形脱毛症の治療を行い、途中からAGA治療を併用して行い、順調な経過を呈しています。
B氏とC氏については、AGAの内服+外用治療で軽快しないため再生医療を併用中です。現在、徐々に発毛が見られている状況です。いずれご報告いたします。