円形脱毛症というと、10円玉の形をした脱毛を思い浮かべる方も多いと思いますが、頭髪全体が抜けてしまうタイプの「びまん性円形脱毛症」という非常に難治性の円形脱毛症もあります。
この方は1999年から私が診ている方です。発症はそれ以前からなので20数年来の脱毛歴があります。
この20年間、軽快・再発を繰り返しておりました。軽快といっても一部に発毛が見られる程度で、数ヶ月するとまた抜けてしまう、という状況でした。ここ数年は、写真左の状態が続いています。
円形脱毛症は自己免疫疾患であり、ご自身の免疫機構がご自分の毛包細胞を攻撃して脱毛を生じる疾患です。しかし、これだけ長期にわたり脱毛状態が継続していると、毛周期では成長期が短縮したり休止期が延長したり、いわばAGAに似た毛周期パターンを呈します。
そこで、昨年からPRP再生医療を開始したところ、顕著に発毛が見られるようになりました。
PRP施術回数は3回で終了しましたが、その後も自発的な発毛がみられ、現在では1999年以降で最も良い状態にまで回復いたしました。
なお、この方にミノキシジル内服治療は行っておりません。
今回はPRPを施術しなかった部位からも発毛が勢いよくみられ、また少ない施術回数で、何故、こんなにも改善したのか?
今のところこのような報告はありませんが、当院では同じような経過を見せている患者様が、まだ2人ほどいらっしゃいます。いずれまとめてこのブログで報告する予定です。
