2023年08月22日

思春期女子の赤ら顔について:思春期の酒さ

思春期、特に女子の赤ら顔の頻度が高まっています。
当院で調べたところ、全員がニキビを合併し、ベピオやデュアック、エピデュオといった過酸化ベンゾイル外用剤による治療の最中に発症していました。
私はこの現象を、「過酸化ベンゾイルによって若年者女子に発症した酒さ」として論文を発表しました(下図)。
当院では年間863人のニキビ患者さんが来院され、そのうち過酸化ベンゾイルを使用しているのは437例でした。女性の患者さんでは265人に過酸化ベンゾイルを使用し、そのうち29人に酒皶が見られました。これは過酸化ベンゾイルを使用した女性患者さんの10.9%に相当します。つまり、過酸化ベンゾイルを使用したニキビ女性では10人に一人に酒さを発症する事になります。
この若年者発症の酒さは、中年女性に発症する本来の酒さよりも軽症であるのが特徴で、またLED治療に良く反応する傾向にありました。
酒さを改善させようとして過酸化ベンゾイルを中止するとニキビが悪化してしまうので、過酸化ベンゾイルを使用しながら酒さを治療する事が大切です。
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posted by 院長 at 21:30| 日記