昨年の平均施術回数は2.2回でした。治療する側としては少なくとも3〜4回の施術でないと効果発揮が難しいと考えておりましたが、金銭的な面も係わってきますので、その結果が2.2回だったのだと思います。
また、PRP施術の間隔が2〜3ヶ月、場合によっては6ヶ月、の事もあり、各施術の間隔が長すぎた事も有効率を下げた原因ではないかと考えています。
また、PRP再生医療自体の効果がそれほど強くない、さらに個人差もある、という事も推察されます。
そこで、今年のPRP再生医療では、PRP施術を1カ月間隔で、最低2回を目標に行うようにしました。
一方で、今年からフラクショナルレーザーを導入し、PRPと併用させて相乗効果を誘導する試みを開始しました。
PRP再生医療とフラクショナルレーザーは、皮膚内の作用部位が共通しており、目指す効果も共通しております。そのため、併用によりPRPの効果がより強く発揮されると考えました。
今年も半年が終わり、上記の試みの効果も徐々に明らかになってきました。下記にその一部をご報告します。
鼻や鼻周囲の深い毛穴は改善が難しいのですが、鼻先まで改善がみられます。

頬全体の毛穴が均一的に改善して肌質が改善しています。

下まぶたの細かいシワがほぼ消失しています。

下まぶたでは小じわの改善が見られます。
頬では小じわだけでなく肌が張り、大きいしわやタルミ、ゴルゴラインも改善し、顕著な若返りが見られます。

おでこのシワも難治性。この写真では深いシワはまだ見られますが、細かいシワは消失し、肌質が改善。

下まぶたのたるみ。これも難治性ですが、2回の治療で改善が見られています。

このように、明らかな効果を示す例が増え、今年は昨年よりもPRP再生医療の有効率は高くなっています。
患者様方にも期待していただいて良い治療である、と考えます。
ただ、効果が出やすい部位と出にくい部位はあります。
そこで、PRP再生医療&フラクショナルレーザー併用治療が適している部位をランク付けしてみました。
1位 目周囲:十分な効果が期待できると思います。
2位 毛穴 :PRPやフラクショナルレーザーの単独治療よりも併用治療の方が高い効果が期待できます。
実際にPRP単独で治療した方、フラクショナル単独で治療した方、それぞれに併用治療を行ったところ、
いずれの単独治療よりも効果がみられました。
3位 ニキビ跡:毛穴と同様で、両者の相乗効果が十分に期待できます。
4位 おでこ:おでこのシワの治療は難しいのですが、この併用療法では相乗効果が期待できます。
手の甲は、すぐ下に骨があり、おでこと状況が似ているので、手の甲にも効果は期待できます。
5位 浅いほうれい線:効果は期待できます。
6位 ゴルゴライン:深い病変ですが、意外に効果がみられます。
7位 深いほうれい線とマリオネットライン:深いシワにPRPを注入し、フラクショナルレーザーを広範囲に当
てる事である程度の改善が見られる事はありますが、陥凹したほうれい線が平坦になってきれいに消え
る、というところまでの改善は期待できません。
8位 眉間:浅いしわには有効と考えます。しかし、深い眉間のしわは難治性です。ボトックスの方が効果的
と思われます。ただ、ボトックスは顔つきが変ってしまったり、耐性により徐々に効きにくくなるの
で、当院では行っておりません。
9位 表情の変化に伴って出現するシワや深いくぼみ:これらは皮膚下の筋膜との関連で出現するものなの
で、皮膚の真皮を改善させただけでは、改善させることは難しいです。