こんにちは。
本日はAGA治療でよく耳にするノーニードルによるメソセラピーについて解説したいと思います。
簡単に言ってしまえば、ノーニードル法は医師以外の看護師でも施術が可能な治療で、注射するニードル法は医師以外の者が行うと医師法違反になります。従って、ノーニードル治療では医師と看護師が仕事を分配するという点で効率がよく、1日にたくさんの患者さん達が施術を受ける事が可能になります。
しかし、同じ薬液を使用した場合、直接皮内に注射するニードル法の方が皮内に確実に薬液を注入できるので、効果的には優れています。
メソセラピーとは主に、毛髪の発育に有益な各種ビタミンやアミノ酸、ポリフェノールなどの抗酸化物など、頭皮の皮内の環境を整えて発毛・育毛を誘導するものです。しかし、その有効率はニードル法をもってしてもそれ程高くはありません。一方、ニードル法によるPRP再生医療は英文教本の脱毛症専門書にも記載があり、信頼度が高い治療法と言えるでしょう。
それではAGAに最も効く治療方法は何ですか?と問われれば、(5%ミノキシジル外用を前提として)内服ミノキシジル量を極限まで増やして、フィナステリドやデュタステリドを倍量にして併用する事だと思います。これを行ってしまうと、再生医療の出番は無いかもしれないくらい内服増量治療は効果があります。しかし、ミノキシジルは用量依存性に心電図異常の発生率が高くなるため危険であり、フィナステリドとデュタステリドの投与量は厚生労働省で定められている事から、行うべきではありません。
また、内服治療とノーニードル法メソセラピーを同時に開始して発毛効果が得られた場合は、内服だけでも同程度の効果が得られる事が推察されます(ノーニードル法メソセラピーの有効率がそれほど高いものではないのが理由)。
当院では、(よほど患者様が早急な発毛・育毛を強く望んでいる場合を除いて)まずは内服治療(ミノキシジル外用を前提として)から開始し、効果が十分でない場合に再生医療を追加しています。再生医療併用後は、ゆっくりですが確実な効果が得られております。
ミノキシジルは具体的には2.5mgからの開始を推奨しています。どうしても5mgを希望される場合は、年齢、診察・検査結果などから判断して開始しております。
いくらミノキシジル内服の効果が強くても、安全な治療のためにもリスクマネジメントは厳密にしなければなりません。
今後、治療例などをご報告していきます。
2019年07月27日
AGA治療における、ノーニードル法メソセラピーとニードル法(注射)再生医療について
posted by 院長 at 20:52| 日記
2019年07月25日
慢性化したびまん性円形脱毛症に顕著に効果的だったPRP再生医療
今回は同じ薄毛でもAGAではなく円形脱毛症にPRP再生医療が有効だった事をお話しします。
円形脱毛症というと、10円玉の形をした脱毛を思い浮かべる方も多いと思いますが、頭髪全体が抜けてしまうタイプの「びまん性円形脱毛症」という非常に難治性の円形脱毛症もあります。
この方は1999年から私が診ている方です。発症はそれ以前からなので20数年来の脱毛歴があります。
この20年間、軽快・再発を繰り返しておりました。軽快といっても一部に発毛が見られる程度で、数ヶ月するとまた抜けてしまう、という状況でした。ここ数年は、写真左の状態が続いています。
円形脱毛症は自己免疫疾患であり、ご自身の免疫機構がご自分の毛包細胞を攻撃して脱毛を生じる疾患です。しかし、これだけ長期にわたり脱毛状態が継続していると、毛周期では成長期が短縮したり休止期が延長したり、いわばAGAに似た毛周期パターンを呈します。
そこで、昨年からPRP再生医療を開始したところ、顕著に発毛が見られるようになりました。
PRP施術回数は3回で終了しましたが、その後も自発的な発毛がみられ、現在では1999年以降で最も良い状態にまで回復いたしました。
なお、この方にミノキシジル内服治療は行っておりません。
今回はPRPを施術しなかった部位からも発毛が勢いよくみられ、また少ない施術回数で、何故、こんなにも改善したのか?
今のところこのような報告はありませんが、当院では同じような経過を見せている患者様が、まだ2人ほどいらっしゃいます。いずれまとめてこのブログで報告する予定です。
円形脱毛症というと、10円玉の形をした脱毛を思い浮かべる方も多いと思いますが、頭髪全体が抜けてしまうタイプの「びまん性円形脱毛症」という非常に難治性の円形脱毛症もあります。
この方は1999年から私が診ている方です。発症はそれ以前からなので20数年来の脱毛歴があります。
この20年間、軽快・再発を繰り返しておりました。軽快といっても一部に発毛が見られる程度で、数ヶ月するとまた抜けてしまう、という状況でした。ここ数年は、写真左の状態が続いています。
円形脱毛症は自己免疫疾患であり、ご自身の免疫機構がご自分の毛包細胞を攻撃して脱毛を生じる疾患です。しかし、これだけ長期にわたり脱毛状態が継続していると、毛周期では成長期が短縮したり休止期が延長したり、いわばAGAに似た毛周期パターンを呈します。
そこで、昨年からPRP再生医療を開始したところ、顕著に発毛が見られるようになりました。
PRP施術回数は3回で終了しましたが、その後も自発的な発毛がみられ、現在では1999年以降で最も良い状態にまで回復いたしました。
なお、この方にミノキシジル内服治療は行っておりません。
今回はPRPを施術しなかった部位からも発毛が勢いよくみられ、また少ない施術回数で、何故、こんなにも改善したのか?
今のところこのような報告はありませんが、当院では同じような経過を見せている患者様が、まだ2人ほどいらっしゃいます。いずれまとめてこのブログで報告する予定です。
posted by 院長 at 09:52| 日記