2019年08月06日

似て非なるもの:円形脱毛症とAGA

今回は、円形脱毛症とAGAの例をお見せします。
両者は一見すると混同してしまいそうな症状を呈することがあります。
まず一例を紹介します。
A氏、B氏.png
左は円形脱毛症で、右はAGAの方です。
次はどうでしょうか?
C氏、D氏.png
左はAGA,そして右はAGAに円形脱毛症を合併した例です。

このように、外観だけを見るとなかなか区別が難しい事があります。
ですから、脱毛症の外来ではただ見るだけではなく、話を聞いて、頭皮や毛髪に触れて診察し、毛根や頭皮の状態を拡大鏡でチェックする事などが大切です。
「AGAの外来なんて内服薬と外用剤を処方して、あとはそれを患者さんに買いに来てもらえば良いんだから簡単だよ」と思われがちですが、とんでもない事です。
「専門的に経験を積んだ医師が責任を持って患者さんを担当する」、これは内科や外科などすべての科において当たり前の事ですが、AGAの診療においても同じ事です。
さて、
その後の治療経過ですが、A氏は(私が大学時代に治療した方で、論文に載せた写真を使用しています)、
A氏の経過.png
円形脱毛症の治療で改善しました。
D氏の場合は、
D氏の経過.png
まずは円形脱毛症の治療を行い、途中からAGA治療を併用して行い、順調な経過を呈しています。

B氏とC氏については、AGAの内服+外用治療で軽快しないため再生医療を併用中です。現在、徐々に発毛が見られている状況です。いずれご報告いたします。
posted by 院長 at 21:55| 日記

2019年07月27日

AGA治療における、ノーニードル法メソセラピーとニードル法(注射)再生医療について

こんにちは。
本日はAGA治療でよく耳にするノーニードルによるメソセラピーについて解説したいと思います。
簡単に言ってしまえば、ノーニードル法は医師以外の看護師でも施術が可能な治療で、注射するニードル法は医師以外の者が行うと医師法違反になります。従って、ノーニードル治療では医師と看護師が仕事を分配するという点で効率がよく、1日にたくさんの患者さん達が施術を受ける事が可能になります。
しかし、同じ薬液を使用した場合、直接皮内に注射するニードル法の方が皮内に確実に薬液を注入できるので、効果的には優れています。
メソセラピーとは主に、毛髪の発育に有益な各種ビタミンやアミノ酸、ポリフェノールなどの抗酸化物など、頭皮の皮内の環境を整えて発毛・育毛を誘導するものです。しかし、その有効率はニードル法をもってしてもそれ程高くはありません。一方、ニードル法によるPRP再生医療は英文教本の脱毛症専門書にも記載があり、信頼度が高い治療法と言えるでしょう。
それではAGAに最も効く治療方法は何ですか?と問われれば、(5%ミノキシジル外用を前提として)内服ミノキシジル量を極限まで増やして、フィナステリドやデュタステリドを倍量にして併用する事だと思います。これを行ってしまうと、再生医療の出番は無いかもしれないくらい内服増量治療は効果があります。しかし、ミノキシジルは用量依存性に心電図異常の発生率が高くなるため危険であり、フィナステリドとデュタステリドの投与量は厚生労働省で定められている事から、行うべきではありません。
また、内服治療とノーニードル法メソセラピーを同時に開始して発毛効果が得られた場合は、内服だけでも同程度の効果が得られる事が推察されます(ノーニードル法メソセラピーの有効率がそれほど高いものではないのが理由)。
当院では、(よほど患者様が早急な発毛・育毛を強く望んでいる場合を除いて)まずは内服治療(ミノキシジル外用を前提として)から開始し、効果が十分でない場合に再生医療を追加しています。再生医療併用後は、ゆっくりですが確実な効果が得られております。
ミノキシジルは具体的には2.5mgからの開始を推奨しています。どうしても5mgを希望される場合は、年齢、診察・検査結果などから判断して開始しております。
いくらミノキシジル内服の効果が強くても、安全な治療のためにもリスクマネジメントは厳密にしなければなりません。
今後、治療例などをご報告していきます。
posted by 院長 at 20:52| 日記

2019年07月25日

慢性化したびまん性円形脱毛症に顕著に効果的だったPRP再生医療

今回は同じ薄毛でもAGAではなく円形脱毛症にPRP再生医療が有効だった事をお話しします。
円形脱毛症というと、10円玉の形をした脱毛を思い浮かべる方も多いと思いますが、頭髪全体が抜けてしまうタイプの「びまん性円形脱毛症」という非常に難治性の円形脱毛症もあります。
この方は1999年から私が診ている方です。発症はそれ以前からなので20数年来の脱毛歴があります。
この20年間、軽快・再発を繰り返しておりました。軽快といっても一部に発毛が見られる程度で、数ヶ月するとまた抜けてしまう、という状況でした。ここ数年は、写真左の状態が続いています。
円形脱毛症は自己免疫疾患であり、ご自身の免疫機構がご自分の毛包細胞を攻撃して脱毛を生じる疾患です。しかし、これだけ長期にわたり脱毛状態が継続していると、毛周期では成長期が短縮したり休止期が延長したり、いわばAGAに似た毛周期パターンを呈します。
そこで、昨年からPRP再生医療を開始したところ、顕著に発毛が見られるようになりました。
PRP施術回数は3回で終了しましたが、その後も自発的な発毛がみられ、現在では1999年以降で最も良い状態にまで回復いたしました。
なお、この方にミノキシジル内服治療は行っておりません
今回はPRPを施術しなかった部位からも発毛が勢いよくみられ、また少ない施術回数で、何故、こんなにも改善したのか?
今のところこのような報告はありませんが、当院では同じような経過を見せている患者様が、まだ2人ほどいらっしゃいます。いずれまとめてこのブログで報告する予定です。
前後 図.png
posted by 院長 at 09:52| 日記